Myanmar DRKの開所式

 仮登記の申請後、8月より営業を開始していたわけだが、11月21日に本登記の手続が完了したことで晴れてミャンマー政府より法人として正式な認可を受けたことから、12月16日(火)に開所式を開催した。
 式典にお招きした方々は、会社設立を計画した当初から設立後の企業活動に様々な形でご支援頂いた方々である。ミャンマーのIT産業の発展の中枢として先頭に立って活躍されておられるU Thein Oo氏 及び、彼の下でIT産業界を束ねているミャンマーコンピュータ連盟(MCF)の幹部の方々、コンピュータ系人財の育成に力を注いでいる代表的な教育機関であるUCSY、COE及びCICTTの学長並びに教授の方々、会社設立に向け登記申請の労を取られた地元の法律事務所の幹部の方々や会計事務所の代表者、JETROで日系中小企業のヤンゴン進出のアドバイザーとして活躍されておられた山口氏、日系金融機関の現地法人の代表、同業でミャンマー進出の先輩企業にあたるMISの駐在マネージャー、日本語学校や大学で日本語を教えておられるインストラクターの方々、さらにはオフィスを紹介して頂いた不動産会社の代表ご夫妻および、オフィスのオーナーのご家族、そして現地従業員とそのご家族に至るまで、総勢50名に参加頂き、華やか且つ家族的な式典となった。

開所式の様子1開所式の様子2

 会場はヤンゴン市の中央よりやや北に位置するKone Myint Thar レストランの別館とした。収容人員80名のこじんまりした部屋だが、8人掛けの丸テーブルを7台配置し、後方の空きスペースを三々五々集まって来られる来賓の方々のウェルカムドリンクの場とした。
 式は司会者の発声で定刻の18:30に始まった。当社CEOの西島による挨拶に始まり、主賓のU Thein Oo氏 の祝辞、山口氏、UCSYの学長等、来賓の方々の祝辞が続き、私の会社設立の経緯や活動内容のプレゼンテーションと記念撮影の後、会食に入った。これら一連の行事の司会進行は大和ACEテクノロジーのマネージャーに引き受けて頂き、予め準備したシナリオに沿って粛々と進められ、全てのプログラムがスケジュール通りに進行した。

主賓のU Thein Oo氏

<主賓のU Thein Oo氏>

Teddy代表 山口氏

<Teddy代表 山口氏>

UCSY学長Mie2 Thet Thwin氏

<UCSY学長Mie2 Thet Thwin氏>

 当日やむなく欠席された方もいた一方で、飛び入りで参加された方もいて、準備していた56席の内の50席が埋まり、参加者は隣同志で会話の花を咲かせた。会食の終了時間が近付く20:30頃には、銘々が席を立ちグループになって記念撮影をする光景があちこちで見られ、いつまでも別れを惜しむ人々の姿が会場を家庭的な雰囲気で包んだ。

<学長と諸先輩>

<U Thein Oo氏を囲んで>

 ここまでであれば、日本で実施する開所式と余り差が無いように思えるが、細かい点ではミャンマーならではの様々な行動様式や価値観の違いが垣間見える。
 先ずは招待者の参加の姿勢である。日本では開催日のかなり前から参加のお願いをしてスケジュールの中に組み込んで頂くのであるが、ミャンマーではそうはいかない。開所式より優先順位の高いイベントが突然の如く降って湧くのが日常茶飯事なのである。当然、予めの約束はそれ程重要ではなく、要は、参加頂けないかもしれないことを半分覚悟した上で、ご招待申し上げるしかないのである。唯一「万難を排してでも参加いたします。」を言って頂いた方だけは間違いなく参加して頂ける。
 次に招待したお客がごく自然に友人をお連れするのがミャンマーの習慣である。主催者にとっては見ず知らずのお方であり、日本であれば、「申し訳ございませんが、内輪の式典なので・・・。」などと体よくお断りさせて頂く運びとなるが、ミャンマーでは「友達の友達は皆友達」の精神が生きづいている。その典型が法事である。
法事の日は、戒律で午前中しか食事が摂れないお坊さんを午前中に招いて食事を振る舞い、午後になると、知人・友人近所の皆さんをお宅に招き入れて残った食事を皆さんに振る舞うのである。そこには招かれざる客など存在しないのである。

<招待状>

<ビュッフェスタイルの食事>

 続いて、招待状の配布である。日本であれば、封筒に宛名書きを印刷し、切手を貼って郵便局に持参すれば、作業は完了で、後は郵便局員が宛名通りに届けてくれる。ところが、こちらではそうはいかない。郵便物が送った相手に届く保証が全くない、ヤギではないから食べてしまう訳ではないが、「間違いなく届かない。」と言った方が正確な表現なのである。日本の知人宛てに郵送した絵葉書が1通たりとも届かなかった方がその事実を実証している。そこで、郵便物は自分で運ばなければならないのだ。招待者の自宅やオフィスを1軒1軒訪問し、招待状を手渡して当日の参加を御願いするのである。招待者に直接お会いして参加のお願いをする訳だから、血の通ったご招待と言えるかもしれない。招待状を届ける頃に急に都合が悪くなり、参加できなくなる人だっている。その場合、日本人であれば、「誠に申し訳ありませんが・・・・。」と欠席せざるを得なくなった理由を述べ、招待状を受け取らないのが普通であるが、ミャンマー人は、必ず招待状を受け取り、決して欠席するとは言わない。そして当日出て来ないのである。そうした行為の方が相手に対する配慮ある行為であると考えている節が感じられる。

<ピーチを終えてのフォトセッション>

 さて後日談になるが、某銀行から頂いた見事なお花をオフィスに持ち帰り、社員が好きな花を纏めて生け花にして部屋に飾る作業をしている最中に血相を変えて助けを求めてきた「お花の中にカエルが潜んでいます何とかして下さい!!」
 美しい花に魅せられた、余程花好きのカエルだったらしく、花束の奥に潜んで香りを楽しんでいたようだ。社員が花束の中から適当な花を引き抜いて生け花にしている内にカエルも驚いて花束の奥から顔をのぞかせたそうだ。大のカエル嫌いの社員は腰を抜かさんばかりの驚きようであったが、当のカエルは体長が5cm程の優しい目をした大人しく愛嬌のある生き物であった。彼慌てず騒がず床に降り、部屋のどこかに姿を消した。再び現れたら、近くのインヤー湖にでも連れて行ってやろうと思っている。

花束から切り出した生け花1花束から切り出した生け花2いただいた花束花に魅せられたカエルの絵手紙

2014年12月21日(日)
MyanmarDRK Co., Ltd. Managing Director
宮崎 敦夫