ミャンマーでの海水浴事情(グエサウンビーチリゾートへの旅)

日本で夏のレジャーと言えば、先ずは海水浴が頭に浮かびます。たいていの場所では、電車や車で2時間も走れば立派な海水浴場に辿りつけます。海水浴場には、たくさんの海の家が立ち並び、更衣室、シャワー、トイレも完備されていて、気軽に海に入ることが出来ます。一方のミャンマーの場合は、日本とは事情が異なり、海水浴に出かけようとすると、それなりの覚悟が必要です。と言うのも、私が住むミャンマーのヤンゴンからビーチ迄の距離が途轍もなく遠いのです。その為、日帰りでの海水浴は望むべくもなく、少なくとも1泊2日の旅をしなければなりません。だからミャンマーの人達にとって、海水浴場への旅はあこがれの旅なのです。

さてヤンゴンから最も近くに位置する海水浴場と言えば西の方約250Kmに位置するアンダマン海に面するチャウンタービーチあるいはそこから南約20Kmに位置するグエサウンビーチです。今回はグエサウンビーチリゾートへの旅を紹介します。

ヤンゴンからグエサウンビーチリゾートまで

ヤンゴンからグエサウンビーチリゾートまで

日本では7月20日の海の記念日の頃から海水浴シーズンが本格的となり、8月下旬のお盆を過ぎる頃にシーズンの終わりを迎えます。一方ヤンゴンでは、8月は雨季の真っ盛りでビーチリゾートは閉鎖されています。海水浴場までのハイウェイはしばしば大雨の影響を受けて冠水し、交通が遮断される事も度々発生します。

しかし10月も中旬を過ぎ中秋の名月を迎える頃になるといよいよ乾季の到来で、それからが長い海水浴シーズンとなります。その頃の日本は「今はもう秋~。誰もいない海~。・・・・・」となり、人々は紅葉の山に向かって行楽を楽しむことになりますが、ミャンマーでは片道6時間半の過酷なバスの旅をものともせず、沢山の人々がビーチリゾートに詰めかけます。また多くの会社が社員旅行の目的地としてチャウンターやグエサウンを選びます。

市内のバスターミナルを夜の11時頃に出発したバスは街の西の端を南北に流れるライン川にかかる橋を渡り、ひたすら西へ西へと走ります。道路の両サイドは延々水田が続く穀倉地帯ですが、深夜の旅なので、暗闇の中を西に向かってひた走ります。片道一車線の細い道路には自家用車、トラック、バス、オートバイ、自転車、農耕用牛車等々ありとあらゆる車が通過するため、スピードは大幅に制限されます。追い越す際は常に対向車の有無を確認した上で、前方にいるノロノロ走る車を追い越さなければなりません。
5時間程走ったところで、バスはパテイン市に到着します。この街はミャンマー第2の港湾都市で、米やチーク材の積出港としての役割を担っています。と言うことでいよいよビーチが近いのだろうと考えたくなりますが、そうではありません。巨大なパテイン川の河口の港であって、海には面していないのです。

パテインの街から更に西に進む道が二手に分かれ、右側(北西方面)に進むとチャウンタービーチへ、左側(真西方面)を選ぶとグエサウンビーチに辿りつくことになりますが、どちらの道も平坦ではありません。と言うのも、パテイン市街と海岸の間にはアラカン山脈の南端が横たわっており、この山脈を越えていかなければならないのです。パテインを過ぎたバスはやがて山道に入り、1時間半程くねくねと走った後、早朝の6時頃やっとビーチ沿いのホテルに辿り着きます。
ホテルの部屋でしばらく休憩した後、ホテルの近くのレストランで朝食を摂り、それからは全員自由時間となり、三々五々ビーチでの時間を過ごします。ホテルには立派なプールが備わっており、プールで遊んだり、砂浜に出て、写真を撮ったり、貝を拾い集めたり、海に入って波と戯れたりして過ごします。馬に乗ってビーチを散歩することもできます。

海と戯れる

海と戯れる

記念撮影

記念撮影


ホテルのプール

ホテルのプール

ビーチでの乗馬サービス

ビーチでの乗馬サービス



ところで、ミャンマー人の皆さんは殆ど泳げません。小学生から大学を卒業するまで、学校にプールは無く、体育の授業も無いため、泳ぐ教育を受けていないからです。

長いビーチの南の外れには岩場が海にせり出しており、絶好の撮影スポットになっています。皆さんは自慢の華やかな洋服に着替え、バスで現場まで出向き、思い思いのポーズをとってお互いが写真を撮り合います。ITエンジニアよりモデルの方が私に合った職業かも?と思いながらカメラに収まっている雰囲気でした。

モデルその1

モデルその1

モデルその2

モデルその2



写真と言えば、夕陽の写真は見逃せません。海が真西に広がっているので、美しい夕日が堪能できます。日が沈む頃になると、多くの人が夕日をカメラに収めていました。

アンダマン海に沈む夕日

アンダマン海に沈む夕日

アラカン山脈から上る朝日

アラカン山脈から上る朝日



翌日、ホテルで朝食を済ませた後は、帰途に就きます。バスはすぐに山道に入りますが、30分程走った所にある、エレファントキャンプに立ち寄りました。ここでは20頭程の象を飼育していて、観光客が餌を与えたり、象の背中に乗って山道を散策したり出来る場所です。ここでしばらく象の親子に餌を与えたりして時を過ごしました。

像とのご対面

像とのご対面

ちょっと怖くて距離を取る

ちょっと怖くて距離を取る


エレファントキャンプを出発して昼食を摂ったあとは、一路ヤンゴンに向けてひた走りました。帰路は昼間の時間帯なので、道の両側には広々とした田園風景が堪能できますが、乗客の皆さんはぐっすり寝込んでいたようです。ヤンゴンに到着した頃には日も暮れて夜になっていました。

一路ヤンゴンへ

一路ヤンゴンへ

お疲れ様でした

お疲れ様でした



2020年8月19日(水)
MyanmarDRK Co., Ltd. Managing Director
宮崎 敦夫